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前回は、西山さんの器の「はりあわせ」という技法についてご紹介しました。
いくつものピースをはりあわせるこの方法を用いることで、重なり合って厚みがでたり、指の運びの跡が残る部分などができ、フラットな器にはない表情のある器が出来上がります。

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そして、その表情をより際立てせるのが細やかな絵柄と美しい色彩です。
水彩画のように淡くにじむ部分もあれば、モチーフがいきいきと器の中を飛び回る細やかな描写の部分もあり、器というキャンパスに自由な表現が散りばめられています。

今回は物語をつくる細やかな絵柄の表現方法に注目してみましょう。
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まず、はりあわせて出来た器の表面に撥水剤を塗り、縫い針でひっかいて撥水剤を削り線で絵を描いていきます。
細い縫い針を使う事で細やかな作業が可能になります。
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乾燥後、ひっかいてできた線の部分に顔料を入れて定着させ、素焼きを行います。
素焼きをすると、撥水剤が高温で蒸発し、顔料を入れた線の部分だけが残ります。この部分が細やかでくっきりとした絵柄や模様をつくり出します。

次に、面の部分の色付けを行い、釉薬をかけて更に焼くことで印象的で柔らかな滲みつくります。
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さらにポイントとなる色の濃い部分に上絵付を行い、最後の焼きに入ります。

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西山さんの絵付けにおける工程。色ひとつ、線ひとつにかかる手間がとても複雑です。
だからこそ、器の表面だけにとどまらな奥行きが生まれ手に取り、眺め、使いたくなる器になるのかもしれません。
5月19日(土)から始まる西山千代子個展「空想するうつわ」では、
展示している器それぞれを手に取って見て頂けますので、
ぜひ、上から下から、ひっくり返して触りながらご自身のとっておきを見つけて下さい。
見る角度を変えることで見える、様々な物語を楽しんで頂きたいです。

19日には、作家の西山さんもご在廊いただけますので、
直接お話できるチャンスです。ぜひお楽しみに。

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西山千代子 個展 「空想するうつわ」
IKUNASギャラリー
平日11:00~17:00  土・日10:00~16:00
会期中無休 駐車場あり