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西山さんの器を目にした時、その鮮やかな彩りや繊細な絵柄に魅了されます。
その絵柄に自分の思い描く物語を当てはめていくのが楽しくなり、
器ひとつひとつをじっくりと眺めたくなります。A_04

さらには、手のひらで包んでみたり、指先でつまんでみたり、なでてみたり。
知らぬ間に器を愛でている自分がいるのに気がつくのです。
なんだか手の中にあるだけでほっこりするような器。
今日は西山さんの可愛くて美しい絵柄とあわせて魅力の、
柔らかな形に注目してみたいと思います。

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西山さんの器は「はりあわせ」という技法で作られています。

素焼きの型に板状の粘土をのせ、かたどった後、縫い針でいくつものピースに切り分けていきます。
そのピースを一度バラバラにして、再度はりあわせていくという作業が「はりあわせ」の特徴です。

その時、重なり合う部分の接着が大切になってきます。
力をいれて押さえれば、しっかりと接着されますが、力を込めた部分が潰れてしまいます。
反対に、潰さないようにそっとはりあわせれば、器としての強度が弱くなり、剥がれの原因になってしまいます。
微妙な力加減が必要な作業です。

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その細やかな仕事により、表面にゆるやかな凹凸ができ、素焼きの型とも違うこの世に一つの器が出来上がります。
さらには持ったときに手や指の線にしっとりと馴染むようにもなり、
器を持った時に、まるで作り手の西山さんと手を繋いでいるような優しい気持ちになれます。

西山さんの器は特徴的な可愛らしい絵柄に注目されがちですが、、
その独特の形成の仕方から、伝わってくる作り手の温度も多くの人に愛される理由ではないでしょうか。

今週末、5/19(土)からIKUNASギャラリーで始まります、
西山千代子個展「空想するうつわ」では、200点を超える作品が並びます。
ひとつとして同じものはない、それぞれの物語をつむぐ器たち。
実際に手にとってその、温度を感じてみてはいかがでしょうか。

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西山千代子 個展 「空想するうつわ」
IKUNASギャラリー
平日11:00~17:00  土・日10:00~16:00
会期中無休 駐車場あり