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今号の特集「住み継ぐということ」で取材させていただいた建築家・六車誠二さんが携わっている、東かがわ市「五名ふるさとの家」プロジェクト。建て替えに向けての最終プレゼンテ―ションも終え、少しずつ進んでいるようです。六車さんは日本古来の建築をベースにした設計を旨としていますが、今回は五名産の木材を使い、土壁にも近くの川の砂をすき込むなど、材料も「メイドイン五名」にこだわっています。
もちろん、新しくできる施設で販売するのも、五名で採れた野菜や加工品。住民が畑で収穫した食材を使い、地元の人が美味しく調理して、訪れる人や生産者に届けます。自然と人が近く、豊かな関係を築いている五名らしい取り組みで、建物も「地域にとけこみ、長く愛されるもの」をイメージされているそうです。

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建築予定地はもと五名小学校の跡地。校庭だった敷地には、住民の思い出がつまっています。どことなく昔の木造校舎のようでもある建物は平屋建てで、金属製のうろこ状と屋根が特徴的。断熱効果ととも五名の空模様を映し出します。さらに建物と併せて産直コーナーの棚やベンチなどインテリア部分も提案し、住民の方々により具体的なイメージを描いていただいたそうです。

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さらに六車さんの挑戦は続きます。「地元の木で」という依頼により、今度は小豆島産ひのきを使って建築をつくられるそうです。香川県は他県に比べ戦後の植林スタートが遅かったものの、近年伐採期に入り建材として使えるようになってきました。山に入り、真っすぐに凛と立つ木を見ると「創作意欲に火が灯るのを感じる」と六車さんは言います。古くから人は近くの山の木で自分たちの住む家を建て、足もとにある土を耕して作物をつくり、料理をして家族を育ててきたことが、記憶の片隅に刻まれているのかもしれません。